新一万円札の「渋沢栄一」どんな人物なのか渋沢資料館に取材!



 どうも小板橋です。


 東の桜も散る今日この頃、皆様に於かれましては益々ご清栄のことと存じます。

世間では今朝(2019/04/09早朝)から「新紙幣」の話題で持ちきりかと思いますが、私は東京都北区にある飛鳥山公園に桜を見に来ております。

石神井川と団地、そして桜のコントラスト非常に綺麗ですね。団地が白飛びしてますが。


そういえば新紙幣の1万円札、肖像が渋沢栄一に決定したそうで、ちょっと渋沢栄一のことについて知りたいなぁと思っております。新紙幣の3人の共通点については「大学の創立者」というぐらいしか認識していません。

北里柴三郎(北里大学)については「ペスト菌発見」、津田梅子(津田塾大学)は「女子の学校教育発展」と具体的な功績で知られていますね。


では渋沢栄一(一橋大学等)の二つ名はというと…(スマホで検索)


「日本資本主義の父」


………なるほど。(頭の中に?が渦巻く)


いやー、株式会社を日本に根付かせたりした渋沢栄一のことについてもうちょっと具体的に功績等がわかる史料館とかがあればな~!!




あったわ…



ということで一人芝居はここまで。

今回は東京都北区、飛鳥山公園内の渋沢史料館にお伺いしました!


渋沢史料館へのリンク


予想通りお忙しそうでしたが、2社合同という形で(もう1社はまさかのY新聞です)館長の井上様に色々お話を伺えましたので簡単な問答にしてみました。




Y新聞さん(以下Y):本日はお客さんの入り具合はどうでしょうか?

館長:例年この時期は飛鳥山公園という場所柄、桜の名所なものですから多くはなります。ただ、今回の報道もあって例年より1割程入館者数が多いように見受けられます。

Y:これから更に来館者が増えると予想していますか?

館長:どうでしょうか。ただ、今回とても丁度良いタイミングというか、実は当施設は今年の9月から来年4月までリニューアル工事で休館するんです。リニューアル後は更に見やすく、デジタルサイネージ等も使ってわかりやすい展示になるかと思います。

Y:この施設は元々どういった経緯で建てられたのですか?

館長:ここは渋沢栄一が最後に過ごした家、つまり「終の棲家」の場所となります。是非渋沢栄一を感じていただきたいと思っております。そして渋沢栄一についての資料の揃い方で言えば最大規模になりますので、是非足をお運びいただきたいですね。

小板橋(以下小):渋沢栄一という人物を調べれば調べる程、色々なことを行った人物であることがわかってくるのですが、代表例を挙げるだけでも初代王子製紙*1、第一国立銀行*2、七十七銀行、現在の東急電鉄など。このように「何をした人物なのか」というのが具体的に…

館長:そうですね。掴みどころが難しいというか、「何を為したのか」という部分については、行ったことが多すぎるので説明が難しいですね。

小:後年になってから色々な人物が渋沢栄一について語ったり綴ったりしていますが、自伝のようなものはあるんでしょうか?

館長:「雨夜譚(うやたん)」というものがあります。これは渋沢栄一が自身の半生を綴ったものです。これは「豪農の息子として生まれてから維新志士、幕臣、政治家、そして実業家になるまで」のことを綴っています。

小:農家ではなく「豪農」の家で育ったから経済の面に明るかったということは考えられますか?

館長:そうですね。それと、生まれが現在の深谷市で古くからの交通の要衝であったこともあって貨幣経済が他の地域より進んでいたということもあります。渋沢がヨーロッパへ視察に行った際に通貨経済に驚かなかったのもそれが大きいと思います。

小:紙幣の変更に伴い、今までの福沢諭吉と今回の渋沢栄一という部分で一般の方はピンと来ていないというか、例えば福沢諭吉に関しては「学問のすゝめ」、「慶應義塾大学の創立」等で有名ですが、渋沢栄一については政財界以外の方々は「誰?」という感想があると思います。自分は鉄道について調べたり、銀行のことを調べたりしているうちに目にした名前なので何となく知ってはいたのですが…

館長:表立って自分が出るというタイプの人物ではないのでイメージとしては地味だと思います。それと、同時並行で色々な事業を行っていた方なので。例えば明治7年に初めて銀行を設立しますが、それと同時に社会福祉活動も行っております。渋沢が設立に関わった会社は500以上あるので、どれが代表例というのも難しいのでそうなっているとも言えます。

小:その社会福祉活動というのは、現代で言うところの「メセナ*3」ともまた違うのですか?

館長:そうですね。銀行とは切り分けて行っていましたので。

小:それが原因でTVでフィーチャーされる機会も少ないような気がしています。最近ですと、連続テレビ小説「あさが来た」で少しだけ出ていたことが記憶にありますが、女子教育に携わって女子大学を作ったというところでは主人公と同じことをしていますが、その件については説明がありませんでした。

館長:そうですね。ただ、あのドラマで「銀行の神様」という肩書だったのは却って良かったと思っています。「何をした人物か」というのを表すよりははるかに視聴者に伝わりやすかったかと。

小:後年、渋沢栄一は「日本資本主義の父」と呼ばれていますが、その点についてはどう思われているのでしょうか?

館長:そう語られることも多いのですが、本人は「資本主義」という言葉に否定的と言いますか、資本主義の悪い面、例えば貧富の差ですとか、そういったデメリットしっかり見えていたので、本人が「資本主義」という言葉を肯定的に使ったことは無いと思います。あくまでも「公」あっての社会だということです。田園都市構想も「鉄道を作ることありき」ではなく、あくまで土地開発があってこそ。そこに鉄道が必要になったので関西から小林一三(現在の阪急阪神東宝グループの創業者)を呼び寄せて敷設したということです。

小:なるほど。ちなみに現在の1万円札の肖像画である福沢諭吉は何度もドラマで主役になっていますが…

館長:渋沢栄一も一度「雄気堂々」というドラマがNHKで放映されました。ただ、生涯を描くというのがドラマではどうしても難しいというか…

小:実績が多すぎるがために?

館長:そうですね。大河のお話も来たことはあるのですが、話数に収まりきらないので流れました。

小:なるほど。(51~52話でも無理なんだ…)

館長:最近ですと某大河ドラマで岩崎弥太郎*4との対立軸を描こうとしていたようですが話数的にそれも無理で…渋沢栄一という人物の生涯を描くのはとても難しいので脚本家泣かせなんですよね。あまりにも実績が多いので。逆に、これを機会に渋沢栄一についてどんどん知ってもらえれば非常に嬉しいです。

小:本日はありがとうございました。

館長:ありがとうございました。


*1初代王子製紙…現在の王子製紙と日本製紙の源流となった企業。

*2国立第一銀行…現在のみずほ銀行の源流となった銀行。

*3メセナ…企業による社会奉仕活動

*4岩崎弥太郎…三菱財閥の創始者。海運業で国と激しくやりあったことで知られる。




 ということで、渋沢栄一について調べてきましたが


・とにかく日本社会の近代化に尽くした

・現在の国立印刷局の初代紙幣頭(現在の理事長)

・そもそも現在の国立印刷局の設立に深く携わっているので1万円札の肖像画になって当然

・というか過去に何度も候補になっているが「ヒゲがない」などの理由で他の人が選ばれた経緯がある



この四点だけはしかと胸に焼き付けておいて下さい。そして興味が沸いた方は8月末ぐらいまでに渋沢史料館に訪れてみてはいかがでしょうか?


 以上、企画自体を発案してから書き上げるまで1日も経っていない旬の話題でした。


ではまた!

この記事を書いたライターは?

小板橋

アナログとデジタルの間を揺蕩う回遊魚。趣味は文房具官能と実用文房具収集。microUSB排斥運動派です。USB-Cはいいぞ。 Twitter @bettttttyon

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